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相変わらず不用心な家だ。
鍵もかかってないドアを開けて勝手に上がり込むと廊下にはびしょ濡れのポチ君が1人佇んでいた。
…まだ眠ってると思ったのに誤算だったな。
「おはようございます。」
「おはよ。その頭どうしたんだい?」
「えっと…お風呂入ったんですけど、頭うまく拭けなくて…いつも探偵さんにしてもらってて。」
「なるほどね。僕で良かったら拭いてあげるよ。」
「…ううん。大丈夫です。」
せっかく人が名乗り出てあげたのに断られてしまう。
あまり他人に触れられるのは得意じゃないのかな。
それに随分飼い主に懐いてるらしい。
…さて、僕はこのこと遊びに来たんじゃなくて水筒から薬を拝借しに来たんだ。
「そう?風邪ひかないようにね。あ、喉乾いたから水もらうよ。」
「俺、いれます。」
「いいよ、お構いなくー。」
台所に入る口実を潰されたらたまったもんじゃない。
無理やり押し切って台所へ入りお目当ての水筒を見つける。
まるごと持って帰ると流石にまずいから水筒の蓋だけを頂いていく。
「あの…探偵さんは?」
「ん?あーまだ寝てるよ。随分疲れてるみたいだったからお手伝いしてあげたんだけどそれが効いたみたいでね。」
「お手伝い…?」
「うん。リラックス出来るようにね。起きたらここに来るように言ってるから、それまでお話しない?」
「…はい。」
「そんなに警戒しないでよ、僕は悪い人じゃないよ。」
ポチ君の前まで行き頬をつつく。
…けれど少し嫌そうな顔をされてしまう。
さて、どうやって好かれようかな。
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