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ポチ君と向かい合って沈黙に耐える。
なんにも話さないんじゃ親睦を深めるどころか相手を知ることすらできない。
んー、まずは手っ取り早く…
「ポチ君、お菓子食べる?僕美味しい飴持ってるよ。」
「いらないです。」
「それじゃお小遣いあげちゃう。どうせご主人様には貰ってないだろうしね。」
「いらないです。…使わないから。」
「うーん、何なら君は喜んでくれるのかな。」
「…何もいりません。」
なんというかこの子…あの探偵の前と態度が違う気がする。
人見知りか、それとも猫かぶりか。
物で釣れない子供は苦手なんだ。
むしろどうやってアイツは手懐けたんだろう。
「あの、要さん…」
「ん?なぁに?」
「…探偵さん、何か言ってましたか?」
不安そうな顔で俯きがちにそう言う。
そうか、この子だって昨日のことを気にかけてるわけだから呑気に話してる場合じゃなかったのか。
いやー人の心は面倒だね。
「特に何も言ってなかったよ。眠いから寝るってさ。」
「本当に…?」
「ホントホント。それかなんか言われるような事あったのかい?」
「…いや、…なにも…」
「ふぅん。それなら何も心配することはないんじゃないかな。」
そう言うと俯いて何も言わなくなってしまう。
…おかしいな、アイツから聞いた話が正しいならこんな素振りを見せることはないはずなのに。
となると…
これが素で、アイツの前ではイイコのフリをしてるってことだ。
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