アダルトコンテンツが含まれます。
18歳以上ですか?
- 文字サイズ:
- 行間:
- 背景色:
-
7
-
してやられた。
昨日の夜、寝ようとしたところに
『これ飲んだらよく眠れるからね。』
なんて言われて渡された珈琲を疑いもせずに飲んだのが悪かった。
第一、珈琲飲んでよく眠れるわけないだろ。
飲んですぐ眠りについて起きたら昼だ。
絶対なんか仕込んでただろアレ…。
要の家を飛び出して慌てて家へ帰る。
確実にいらない事をしてるに違いない。
確認もせずに扉を開くと、聞き取れなかったが小さくポチの声が聞こえた。
「おい、ポチ大丈夫か!?」
「…え?」
「おかえりーご主人様。寝癖すごいことになってるけど大丈夫?」
「お前のせいだろ要…っ」
呑気に笑った要の頭を叩く。
見た感じ特に何も無さそうだ。
…ただ、ポチの表情が少し良くないが。
「お前、変なこと吹き込んでないだろうな…」
「えー?何も言ってないよ、ね。ポチ君?」
「へ?ぁ、…えっと、はい…っ」
「…いや、これ信用ならねぇぞ。」
「もーポチ君を困らせないの。ご主人様も帰ってきたし僕は帰ろうかなぁ。」
要が不貞腐れたように口を尖らせる。
この様子ならやることは終わったらしい。
少し、ポチとふたりきりになるのは気まずいが。
「あ、要さん…っ」
「ん?また話の続きは今度2人きりでしよっか。ソレ抜きでね。」
「…おい、何の話だ?」
「プリンの作り方を教えてたんだよ、君に食べさせたいんだって。ね、ポチ君。」
「…はい。」
「プリン?プリンくらい買ってこれば…」
「わかってないなぁ、愛のこもった手作りプリンがいいんだよ。そんなんだから彼女ができないんだぞ。」
「それは関係ないだろ…!」
あぁ、…本当にコイツは鬱陶しい。
でもさっきまで浮かない表情だったポチも口を開けて楽しそうに笑ってる。
それなら…まぁいいか。
「それじゃ、またね。」
「あぁ。」
ご機嫌で手を振って帰る要を見送りポチへ目線を移す。
…あぁ、気まずい。
現在の設定
文字サイズ
行間
背景色
×
67 / 149