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朝、少し眩しくて目が覚める。
目を開くと太陽がもう登っていて部屋の中が空みたいに明るくなっている。
起き上がろうと手に力を入れても何故か体は動かない。
「ん、……?」
目の前には探偵さんの顔。
体の上には探偵さんの腕。
…俺は抱き枕じゃないよ。
仕方ないから起き上がるのはやめにしてそのまま前を見つめる。
いつもの探偵さんの顔。
苦しそうな顔。
眉間にギュとシワがよってちっとも気持ちよくなさそう。
「…怖い夢見てるの?」
「ん、……」
眠ったままの探偵さんは答えてくれない。
時々苦しそうな声が聞こえてくる。
呻くような、唸るような。
「…へ、……?」
暫く見つめていると、ツーと探偵さんの頬に涙が流れた。
涙はそのまま枕に落ちて消えてしまう。
悲しい夢?怖い夢?
涙が出るくらい辛い夢を見てるの…?
「探偵さん、…怖いの怖いの飛んでいけーっ…」
探偵さんの眉間を指先で擦ってそう小さくつぶやく。
怖くないよ、大丈夫だよ。
探偵さんが大丈夫って言ってたから…きっと大丈夫だよ。
…ね。
俺はただ抱きしめられたまま苦しそうな寝顔を見つめていた。
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