アダルトコンテンツが含まれます。
18歳以上ですか?
- 文字サイズ:
- 行間:
- 背景色:
-
5
-
探偵さんにぎゅっと抱きつき胸に顔を押し付ける。
…もう寝ちゃったかな。
「寝てる?」
返事はない。
あのね、昨日は言えなかったこと。
本当はちゃんとお話しないといけないこと。
…少しだけ聞いてもらえるかなぁ。
「あのね。俺、…なんで夜になると変になるのか覚えてる。ここに来る前からね、ずっとそうだった。
…毎日一粒だけ薬を飲むの。そしたら、夜そうなるって言ってた。」
探偵さんの返事はない。
だって、寝てるから。
こんな事話したら探偵さんはなんて言うんだろう。
また、悲しそうな顔をするのかな。
…俺。
嫌われたくないよ。
でもそれ以上に、探偵さんを悲しませたり迷惑をかけたりしたくないんだ。
「それ以外は忘れちゃった。全部。…また思い出したら言うね。あのね、…俺ここに来れてよかったってすごく思うんだ。」
目を閉じてそれだけ伝える。
またいつか
ちゃんとお話できる日が来たらいいな。
そう思っていると、体を強く抱きしめられる。
今までよりももっと強く。
「起きてた……?」
その言葉にも返事はない。
ただ、強く抱きしめられてその腕の中で俺は小さくなっていく。
ぽかぽか 探偵さんの匂い
ずっと このままでいられたらいいのに。
現在の設定
文字サイズ
行間
背景色
×
92 / 149