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年越し小説
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(このお話は年越しのためだけに書いたお話なので時系列がどうとか、この先年越しの季節に彼らがどんな状態になってるだとかは気にしないでくださいね…!!)
「あと少しで年越しだな。」
「そうなんだ。」
テレビを二人で見ていると急に探偵さんがそう言った。
年越し。…年越しってなんだっけ。
うーん、と首を傾げるけど探偵さんは前を向いたまま続けた。
「来年は戌年だな。」
「いぬ?」
「…お前か。」
「俺??」
んん??とわからなくて余計に首を傾げると探偵さんがクク、って笑って俺の頭を撫でた。
…面白かったのかな。
探偵さんはそのまま俺の頭をわしゃわしゃ撫でると抱き寄せる様に腕を回して、俺はぎゅっとくっつく。
「寒いだろ。」
「少し。」
「今年の冬は本当に冷え込むからな。今年の年越しは引きこもっとこう。」
「うん。よく分かんないけど…探偵さんと一緒ならなんでもいいよー!」
「そうか。」
目を閉じてぎゅっと探偵さんの腕に抱きつくと探偵さんも何も言わないまま受け入れてくれる。
あったかい。
人間カイロみたい。
だんだんウトウトしてくる。
…少しだけ、寝ててもいいかなぁ。
「来年は戌年だネ。」
「……不法侵入。」
「あはは、冷たいこと言わないでよユキくん。」
俺の横で寝息を立て始めたポチに毛布をかけたのと同時に後ろから嫌な声が聞こえてきた。
年末は泥棒が出る、なんてよく言うからちゃんと鍵もかけたはずなのに何でこいつは家の中にいるんだ。
「何でいるのかって?鍵空いてたよ。」
「は?確かに占めたはずだと…」
「窓の。」
「窓から入るな…!……はぁ、何か用か?」
「いやー、年越しひとりって寂しいよね。ちょーっとユキくんとポチくんに構ってもらおうかななんて。ワンワン。」
「ワンワン言うな、気持ち悪い。」
「来年は戌年だよ?ポチ君の都市なんでしょー?」
「…どっから居たんだお前は。」
はぁ、とため息をつくと要が俺の隣まで来てニッコリと笑った。
ポチがわんわん言うならまだ可愛げがあるがこの要に言われても可愛げの欠片すらない。
勘弁して欲しい。
「最初からさ。正直コトが始まるんじゃないかって心配だったよ。」
「余計のお世話だ。TPOは弁える。」
「…ユキくんムッツリスケベだもんネ。」
「ははは、捻り潰すぞ。」
「ポチくんが寝ててよかったね??本性バレるよ??」
「お前みたいなド鬼畜ドSに言われてたまるか。」
「最近は法律守ってるからいいの。」
年の末に何恐ろしい事言ってんだ、とまたため息が出る。
コイツといると本当にろくなことがない。
目をそらすようにポチの方を向くと、気持ちよさそうに眠ったままぎゅっと俺の服を握ってくる。
…初めての年越しか。
「あ、今何時だ?」
「えーっとね…23:58。」
「…ポチ起きろ、年越し逃すぞ…!おい、ポチ…!」
「…ん、…ぅ…」
「起きろ、後悔するぞ…!」
「23:59。」
いやいや、初めての年越しが寝てるって子供かこいつは。
確かにいつも日付が変わる前には寝かせる生活を続けてたがこんな日までこんなに規則正しくする必要は無い。
「…ポチ、起きろ。」
「ん、…朝…?」
「00:00!ハッピーニューイヤー!!」
「…年越しだ。」
「はっぴー、にゅー…いやー……」
寝ぼけたままのポチに思わず笑いがこみ上げてくる。
あぁ、まぁ 俺達はこれくらいが丁度いいか。
「…寝てていいぞ。」
「ん、……」
「いいの?年越し犬コスとかいらなかった?犬耳持ってきたよ?」
「お前新年一発目にその発言はやめとけ。」
今年も 皆 いい年になりますよう。
*今年もゆるゆるふわふわな小説ですがどうぞよろしくお願いします
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