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クスリ
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ポチ君に、いつもはどんな風に過ごしてる?って聞いたら
「ご飯食べてテレビ見て寝ます。」
としか言われなかったからそれ通りのスケジュールを用意した。
僕らはご飯を食べて、テレビを見て日付が変わる頃には布団へ入った。
「要さんのお家はベッドじゃないんですね。」
「うん。ほら、ベッドは動かせないでしょ?」
「…動かせない?」
「僕は部屋の模様替えが趣味なのさ!だから布団の方がすぐに動かせて楽だからね。…さ、布団に入って目を閉じて?ほら。ミルと一緒に寝ようか。」
「はい。」
布団に入ったポチ君へミルを抱かせて布団を肩まで上げる。
ポチ君は眠そうな顔でそれを抱きしめて僕を見上げた。
「…要さんは一緒に寝ないの?」
「僕はもう少しお仕事さ。気にしないで寝てていいよ、何かあったらすぐに僕の部屋においで。」
「わかりました。」
「おやすみ、ポチ君。」
「おやすみなさい。」
不安げな顔をするポチ君の頭を撫でて眠るように促すとすぐの目を閉じて体の力が抜けていく。
僕には何かと気を使わせてしまったのかもしれない。
それに、昔話を聞いている時のこの子はあまり気が休まったようには見えなかったしね。
僕はポチ君がしっかり眠ったのを確認してから自室へと戻った。
自室のモニターには布団で気持ちよさそうに眠るポチくんの姿が映し出される。
監視なんて趣味が悪いけれど眠ったふりをしてクスリを飲まれたら堪らないしね。
それと本当のお仕事。
本格的に家出少女救出作戦を立てないといけない。
「…見取り図からしても逃げ場はなし。堂々と客として入って裏道へ…うーん、顔が知られるとまずいかな。」
今回はいつものヒーローごっことは少し違う。
本当に誰かが死ぬ可能性がある。
…あの子に死なれるのは少し困る。
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