アダルトコンテンツが含まれます。
18歳以上ですか?
- 文字サイズ:
- 行間:
- 背景色:
-
作戦会議
-
仕事をして、そのままディスクで寝ていたらしい。
遠くで聞こえる聞きなれた声で目が覚めた。
体を起こすとバキバキと背骨が音を立てる。
「…まだ7時だぞ。」
痛む体のまま立ち上がり、ヨロヨロと廊下を覗き込むと猫のぬいぐるみを抱きしめたポチと困ったような顔で手を振る要がいた。
「夜に帰るんじゃなかったのか。」
「あはは、…寝るまではちゃんといい子にしてたんだけどね。朝になったら寂しくなっちゃったみたいで、探偵さんの所に帰るーって聞いてくれなくて。」
「…要に迷惑かけたら駄目だろ。」
「…だって、…」
「まぁまぁ。君に会いたくて仕方なかったんだって、怒ることじゃないだろう?他には我儘なんて言わないですごくいい子だったんだ。褒めてあげなよ。」
そう言われてもどう褒めるべきかわからない。
まぁ確かに大人の事情で勝手に知らない所に行かされて1日泊まってこい、なんてコイツにとっては怖かったかもしれない。
「偉かったな。…あー、…楽しかったか?」
「…要さん、優しかった。」
「そりゃ良かったな。そのぬいぐるみはどうしたんだ?」
「要さんがくれた。」
「…貰っていいのか?お前ぬいぐるみ収集家だろ。」
「あはは、いいよいいよ。僕の家で転がってるよりポチくんの思い出になる方が良いさ。大切にするって約束もしたしね。」
大事そうに抱きしめるのを見る限り、粗末にすることは無さそうだ。
俯いたままのポチの頭を優しく撫でてやると少しだけ顔が上がった。
「おかえり、ポチ。」
「…ただいま。」
不貞腐れた様な顔のポチは子供みたいで。
あぁ、守ってやらないとな と改めて感じた。
現在の設定
文字サイズ
行間
背景色
×
122 / 149