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救
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昼過ぎ。
ポチを着替えさせていると、廊下の方からスーツを着た要が工具片手に部屋へ向かってくる。
「ナンバープレートは付け替えたよ。あと変えのタイヤも積んどいた。君の変装は?」
「ヅラは被るが顔はやりようがないだろ。まぁメガネが限度だ。」
「そうだね。…ポチ君、似合ってるよ!大人っぽく見えるね。」
「本当?嬉しいです。要さんも別人みたいです。」
決行当日。
相手に容姿を覚えられ後から探されたら面倒だから、と皆揃って変装の準備をしていた。
ポチには茶色のスーツに絵描きみたいな帽子、それから蝶ネクタイなんていうどっかの坊ちゃんみたいな格好。
要は黒いスーツに黒い編んだ髪、銀縁の眼鏡に厚底まで履いて執事スタイルだ。
要の中ではポチの執事らしいが。
対して俺はそこまで着込むこともなく適当なスーツに焦げ茶の髪と無駄にフレームの大きい眼鏡くらいだ。
それだけでも充分雰囲気は変わるが。
「よし出来た。ポチ、ケープは絶対に取るなよ。首輪見えるからな。」
「わかった。」
「…いいか。命懸けだ、だが全員無事に帰る。」
「もちろんさ。」
「うん。」
「やるぞ、確実に。」
3人で手を重ねて互いの顔を見合う。
まるで探偵ごっこだ。
いや、それでいい。
誰かを救うのはまるは形から、ってやつだ。
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