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午後5時前、予定通り建物へ入る。
狭い入口を入った先の受付は外から見えるよりずっと広い。
スーツを着込んだ男が頭を下げ俺の頭から足の先までじっと見たあと少し微笑んだ。
「どうぞ。」
差し出されたのはリストバンド式の会員証だ。
この店ではクレジットカードを連携し、会員証を通して会計をする仕組みになっている。
腕を差し出しそこにリストバンドを付けてもらうと代わりにクレジットカードを差し出した。
「確かに。」
「どうも。」
「奥へお進み下さい。」
「ああ。」
そう頷き促されるまま奥へ進む。
コツンコツンと靴の音が響く。
左右にいくつかのある扉には×と書いてある。
正面、一際大きな重そうな扉が現れる。
この先がショーの舞台だろう。
「確認、失礼します。」
扉の横のボーイに声をかけられ言われるままにリストバンドを差し出す。
何も問題なかったのかそのまま頭を下げられ特に何も言われない。
ボーイが扉を少しだけ開くと薄暗い部屋の中から派手な音楽が聞こえてきた。
「どうぞ、お楽しみください。」
声と一緒に中へ踏み込むと扉は音もなく閉じてしまう。
俺はネクタイを締め直し奥へと進んでいく。
舞台のすぐ下まで来るとひとつ残っていた席に座りboyから酒を受け取る。
…あとは終わるまで待機だ。
舞台上、踊るのは中学生くらいから中年くらいまでのほぼ服を着ていない男女だ。
目や口を隠されている人はまだいいが手や足のない者や手足を失い舞台上に横たわっているだけの人もいる。
正直みていて気分は良くない。
しばらく見ていると目隠しをつけられた少女達が躓きながら、時々ぶつかり合いながら前へ出てくる。
仕込まれ切れていない、つまり新人だ。
その中でも一番端で踊る少女。
それが今日のターゲットだ。
「…この中で、一人しか救えない。」
甘ったるい酒を飲み干して目を閉じる。
俺は 本当に正義なんだろうか。
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