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心無き笑顔(遥side)
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1件目の営業も無事に終了した。
あの堅物の逆鱗に触れ無いようにと、
いつも以上に笑顔を取り繕った。
僕達は、2件目の営業に向かう為に
再び車に乗り込んだ。
微かに鼻をくすぐる煙草の匂い。
シートベルトをした時に、
部長に声を掛けられた。
「お前、営業の時にいつもあんな感じなのか?」
今日は特に愛想良くしたが、そんなことを言うと怒られそうだと思い、やだな〜僕の愛想の良さに嫉妬してるんですか...と冗談めかして誤魔化そうと思ったが、口が動かなかった。
「いつもあんな感じなのかと尋ねている。」
真剣な眼差しで尋ねてくる部長に、
冗談めかして誤魔化したところで
きっと本心を見透かしてるに決まってる。
そう思った僕は、「はい。」と
ひとことだけ答えた。
その返事を聞いた部長は短く「そうか。」と
言って顔を背け、独り言を呟くかのように
「心無い笑顔を作るな。」と言った。
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