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隣のアイツ
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四月。
新生活が始まった。
俺は、親の反対を押し切り此処、横浜大学へと進学した。
『愛沢財閥』
日本ではなかなか有名な大手愛沢グループが俺の家系だ。
まぁ、そうはいっても俺には全く興味がない。親の持ってる権力やら金やらを自分も欲しいとは 今まで一度も思った事がなかった。
それでも用意されたレールの上を歩かなければならないクソ人生。
幼稚園から高校までエスカレーター式でいつ抜け出せるのかとこの時をずっと待ちわびていた。
横浜大学への進学は俺が自分の人生で初めて決めた事だった。
実家は東京にあるが、この大学までは遠いし
何より全てのことから離れたかった俺はめでたく一人暮らしも始めた。
横浜の海を見下ろし、毎晩夜景がチラつくこの部屋は、俺の世話係が用意したものだ。
正直、気に入ってないー。
でも、世話係を通してここに住む事を条件で
俺はあの地獄のような、居心地のクソ悪い家から抜け出す事ができた。
ジュッ
ジッポでタバコに火をつける。
長かった。
でも、やっと自由になれたんだ。
大学の入学式を終えたその日の夜
窓を全開に開けて、ゆっくりとタバコの煙を焚いてゆく。
まだまだ肌寒い風が吹いていたー。
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