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何かの緊急事態が起きた事ぐらいは寿もわかっている。
それはタキが置き手紙を書く時間がないぐらいの緊急を要するもの…。
それでも寿が少しでも安心するようにと、タキがテーブルの上に週刊総合を置いていってくれたのだろう…。
寿は自室で週間総合を読みながら、タキが帰ってくるのをただじっと待つ。
もし誰かに寿の姿を見られて、寿の存在が世間にバレてしまったら国のあちらこちらで暴動が起きてしまう。
それはすぐに国王の失墜に繋がって、そして寿の命も危険に晒されてしまう。
いくら鉄壁な城だとはいえ、用心に用心を重ねることに越したことはない。
こんな緊急事態だからこそ、寿はただじっと自室でタキを待つ。
それが今の自分に出来る一番の得策、だと寿にはわかっているから…。
国王と王妃とその子供達が住んでいる王宮から少し離れたところに鉄壁に作られた城。
その城は決して人には知られてはいけない寿の住処。
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