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「…隣国の皇子がこの城においでになられるのは、寿様を嫁にもらうためです」
「………………。…………はぁっっ?!」
突飛な言葉に寿の唇の片方が思い切り上がる。
「お前、バカも休み休み言え。俺は男だぞ?お前、言ったよな…?隣国の皇子だ、って。隣国の皇子だぞ?皇子が子供を産まないでどうするんだ?なんだその皇子は男色なのか?」
何かの冗談だと眉間に皺を寄せながら笑うが、タキの表情は真剣そのもの。
「‥恐れながら隣国の皇子は、国王の前で寿様を愛していると堂々と仰ったので隣国の皇子が男色なのかと聞かれたら、はい、としか答えられません」
タキの強ばった口調から、冗談でこんなことを言っているのではないと寿にもようやく伝わる。
ただ寿にはまったくもって現実味がない。
はっきりいって夢心地だ。
悪い夢なら早く覚めてくれ、と願うほどだ…。
寿はハッとする。
「…今、何て言った?」
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