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手からタキの温もりを感じて、荒ぶっていた寿の感情が少しずつ落ち着きはじめる。
「…お前、男娼になる俺を見たいのか?」
「違います。男娼ではなく嫁です」
「…お前、わかるだろう?皇子が子供を産まなくてどうするんだ?」
「隣国は陛下を選ぶ時は、その一族から選ばれる指名制です」
「…そういう問題じゃないだろう?」
寿は嘆息をつく。
ここの国は世襲制だが、隣国は指名制らしい。
世襲制だろうが指名制だろうが、寿は皇子は結婚して子供を産んで子孫を残すべきという考えだ。
「そういう問題です。寿様は頭が固いのですね…」
タキは嫌みらしくため息をついて首を振る。
「俺はお前より常識人なだけだ!」
寿は大声で言う。
「いいですか、寿様。男女が結婚したからといって子供が出来るという保証はどこにもないのですよ?指名制である隣国の歴史を振り返ったとしても結婚してない皇子が…、」
「あー、もういいっ!!」
寿はタキの言葉を遮る。
「お前、俺が止めなければ延々と隣国の歴史を語るつもりだろう…?」
「では短くまとめると、もし寿様が隣国に行くのなら私もついていきますので寂しくないですよ、ということです」
今の話でなぜそういった結論に達するんだ…、
と寿は首を傾げる。
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