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噂っていうものはちょっとした火種であっという間に広がって、広がるにつれて憶測が憶測を呼んであることないことが飛び交う。
自分の火種で、父である国王の権威を下げることは絶対にあってはならないこと…。
「俺はこう見えても長男だからな。俺のことで国を混乱に陥れることは出来ない。それに俺がこの国を出ていくことで食費やその他の経費が浮くじゃねぇか。隣国の皇子が養ってやろう、って言ってくれているんだからお言葉に甘えてやろうぜ!」
鼻で笑うと、タキは寿に膝を折る。
「私もお供します」
寿はタキをじっと見下ろす。
寿は瞳を閉じてタキに気づかれないように小さく深呼吸をしてから、意を決して瞳を開けた。
「いーや、お前はここに残れ!」
タキが青天の霹靂といった感じで、寿を見上げてくる。
「俺はちゃんと知っているぞ!お前は従者の中でかなり有能で将来を嘱望されている、って」
タキは驚いた顔のまま微動にしない。
眉間に皺を寄せたまま、寿は笑う。
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