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「寿様…、」
「何だ?」
「私は寿様を大切にするタキを愛しています」
コウが寿に向かって優しく微笑む。
「寿様の犠牲になっているなんて、タキはこれぽっちも思っていませんよ。犠牲になっているなんて聞いたらタキはものすごく怒ります。…それにきっとタキも寿様と同じ気持ちです」
「……同じ気持ち…?」
寿は怪訝そうに聞く。
「寿様にも諦めないで恋愛をしてほしい…、と。恋愛だけはありません。…環境が変われば、きっと寿様の心境も変わると期待しているのです」
(ああ…)
だから新しい環境を与えたのが自分じゃないとタキは怒っていたのか。
友達もいない、恋する人もいない…。
この城にいれば、友達や恋する人を作るなんて夢のまた夢…。
似たような毎日を送り、いつかは独りで死んでいく…。
そんな人生だと諦めている寿をタキが一番危惧していたのかもしれない…。
だからタキはこの話を承諾したのかもしれない…。
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