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(…ここの城にいるよりも、隣国に行った方が危険は高まるかもしれないのに…?…もしかしたらすぐに皇子に捨てられるかもしれないのに…?)
それでもタキはこのチャンスを生かしたかったのかもしれない…。
危険が伴っても寿に心境に少しでも変化が起きて、少しでも人生に希望を持てるように…、と。
(タキ、お前ってやつは…!)
眉間に皺を寄せたまま、寿は笑う。
「コウ、一つ良いことを教えてやろう。タキがお前のことを信用できる男だと言っていたぞ」
コウの表情がパッと輝く。
(好き嫌いという感情はない、と言っていたことは黙っておこう…)
コウの嬉しそうな表情を見て、寿はそう決める。
「タキの話はここまでにして。…。…コウ、俺がここに来た意味わかるな?」
「はい。何なりとお聞き下さい」
(さすがだな…)
寿がここに来たのはコウと仲良くしにきた訳でも、ましてやタキの話をしにきた訳ではない。
コウから聞きたい事があるから。
「まず隣国で用意されている俺の部屋はどうなっているんだ?」
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