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玄関に行くとタキが待っていた。
コウは?と聞くと荷台と共に先に隣国に行ったらしい。
「寿様、国王と王妃からの伝言です。隣国で幸せになりなさい。ただ何があればすぐに帰って来なさい…、とそう仰られていました」
「…そうか」
けどその言葉に甘える訳にはいかない。
だけど…。
「国王…、いや…、」
眉間に皺を寄せながら寿は笑う。
「お父さんは息子に甘すぎるな!」
国王ではなく初めてお父さんと呼んだ。
これが最初で最後だ。
「寿様…!」
タキは満面の笑みになる。
「タキ、今以上にこれから大変だぞ?」
「わかっています。私はそんなバカではありません」
タキは鼻を鳴らす。
「そうだな!」
寿は眉間に皺を寄せたまま笑い、帽子で髪の毛を隠して、瞳の色まで隠すように深く被る。
そして肌の色も隠すために厚手の上着を着る。
「行くぞ、タキ!」
「はい!」
寿はドアを両手で思い切り開けた。
(眩しい…!)
帽子を目深く被っているはずなのに、太陽の光がやけに眩しく感じたのだった。
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