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「もし不快な思いをするようなことがあれば、すぐに言え」
耳元で聞こえる皇子の声音に、寿の背筋に電流みたいものが走る。
(ここで働く者も大変だな…)
寿は内心で嘆息をついた。
寿がこの城にやってきたせいで、やっかい事が増えたのだから…。
「だから、この城では寿は寿らしくいればいい」
皇子はニコッと笑う。
(俺らしく…、ね…)
「部屋に案内するぞ」
皇子が寿の手を引っ張る。
寿は手を引っ張られても、咎めることはしない。
男娼だし皇子の好きにすればいい…。
(皇子が、この容姿(ナリ)を働いている者に見せたいというならそれでいい‥。自分の身は自分で守るしな…!)
皇子が寿を見せ物にしたいなら、それに寿は従うまでだ。
皇子はああ言ってくれたが、寿は自分で自分の身を守るつもりでいる。
男娼である寿のことで皇子の手を煩せる訳にいかない。
それに自分で自分の身を守るのは当たり前だと教わってきたから…。
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