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「皇子…!!」
寿が声を上げるが、パタンとドアが閉まる。
寿は小さくため息をついて、ベッドに腰を下ろした。
「…こんな大切なものを捨てられるかっ!!」
皇子は簡単に捨てろと言ったが、はいそうですか、と捨てられる品物ではない…。
「……なんで俺に渡すんだよ…?」
(……俺は単なる男娼だろう…?)
「もしかして本当に嫁として迎える気なのか…?」
寿は無意識に出た自分の言葉に思いきり首を振る。
(そんな訳ない、そんな訳ない…!)
自分に言い聞かすように内心で呪文のように唱える。
「‥…。…それにしても綺麗だな…」
寿は木箱から出して、代々伝わるという小物入れをじっと見つめる。
(あ…、)
ポケットから折り鶴を出して小物入れに入れるとぴったりと収まった。
それを見て無意識に眉に皺を寄せたまま笑顔になった。
コンコンとノックされて、寿は慌ててベッドの横にある机の引き出しに小物入れを仕舞った。
寿が返事をするとドアが開く。
そこにはコウがいた。
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