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(…俺は皇子のことを何も考えていなかった…)
男娼だと思い込んでいたばかりに、タキとコウの言葉に耳を貸さなかった…。
「寿様、無理に皇子を好きになることはありません。皇子もそれぐらいわかっています」
「…え?」
「だから焦る必要はありません。ただ皇子のお気持ちを寿様にはちゃんと知っておいて欲しかったのです」
寿は瞬きを繰り返してから、ほんの小さく頷いた。
それを見て、コウは満足したのかニコリと笑う。
「では隠し扉の…、」
「寿様っ!!緊急事態です!米びつが壊れておりますっっ!!」
一見すると壁にしか見えないドアが回転してタキが姿を現す。
「タキは説明せずとも、見破っていたみたいですね」
寿は苦笑いを浮かべてから、ベッドから降りて隠し扉からコウと一緒にタキの部屋に行く。
タキの部屋は寿の部屋と構造は同じだが、違うのはタキの部屋にはキッチンがあり、ミシンなど家庭的ものが置いてあった。
「米びつとはなんですか?」
寿の後ろからついてきたコウが聞く。
「米を保管するための箱みたいなものだ」
「米?」
コウは首を傾げる。
寿はテーブルに置かれている米を指差す。
「米というのは、米の分量を計り、分量に合わせて水を入れて炊飯器で炊くとほかほかのご飯が出来上がる」
「なるほど」
コウは興味津々で米を見る。
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