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どうしてこの城しか過ごせないのか、そして自分がどんな立場なのか、寿にしっかり認識させるために…。
「母は国際結婚がご法度なことも知っていたし、しかも差別されている人種だ。もしお腹にいる子が国王の子であることがわかれば殺されるのは必至だ」
コウは顔色一つ変えずに聞く。
「母は黙って祖国に帰って俺を産み育てようとしたが、母の作戦は見事にバレて国王は母を捕まえて、城に幽閉して俺を産ました」
タキの方は眉を寄せて、瞬きせずに心配そうに寿をじっと見つめている。
「国王にしてみたら、厄介者にしかならない俺を産ましたのは母を愛していたからだろう…」
それ以外に考えられる理由がない。
寿が産まれてきても、国王にとってメリットは何一つないのだから…。
「そして俺は母の血を強くひいて、髪の毛と瞳は黒。肌が黄色だった」
これが寿が幽閉されている理由。
この国周辺は皆、髪の毛は金で瞳が蒼くて肌が白い。
それ以外の色は認めない、という風習が昔からこの国周辺には根強く残っている。
特に髪と瞳が黒くて肌が黄色のは物珍しいために見たことない色に拒否反応を起こす人間が多いらしい。
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