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「……。……俺が六つの時に母は亡くなった…。国王は母の死を嘆き悲しんだそうだが、そんな国王の傍にいて慰めてくれたのが今の王妃だ。王妃は俺の母や俺のことをすべて理解してくれて、六年前に結婚した。今は三男一女に恵まれているらしい。俺はここまで生かせてくれた国王と王妃に感謝している」
眉間に皺を寄せたままニコリと笑う。
「…寿様、大丈夫ですか?はじめてお母様のことをお喋りになられたでしょ…。でも良かったですね」
タキがにっこりと笑う。
「…タキ、お前は本当に過保護だな!」
寿はククッと笑う。
「まぁ、お前らも積もる話もあるだろう!」
「寿様っ!」
タキが非難のような声を出すが、寿は無視して扉を開けて自室に戻る。
「……初めて喋った…、か…」
寿は自分の掌を見ると、汗びっしょりで微かに震えていた。
そんなことさえ気付かないほど必死だった自分に苦笑した時、気配を感じてハッと顔を上げるとそこには肩を落とした皇子がいた。
「……皇子…、あの…?」
寿が駆け寄る。
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