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「…俺が寿に隠し扉のことを教えたかったのに、もうコウが教えたのだな…」
ぼそっと皇子が呟く。
(……子供か!)
その子供みたいな皇子の態度に呆れる前に、寿はクスクスと笑いが込み上げてしまった。
「……。…皇子、もし良ければ城内を案内してくれませんか?」
どうしてそんなことを言ってしまったのか自分でもわからない…。
でもそんな皇子を可愛く思えてしまうのはなぜだろう…。
皇子の顔がパッと輝く。
「本当か!?」
「はい」
皇子が、あ!そうだ!と何か思い付いたように言って、急いで部屋を出ていく。
「お、皇子…?」
寿が首を傾げたその時、隠し扉が開いた。
「…コウ?」
隠し扉に目をやると、なぜかコウの頬が真っ赤に腫れている。
寿は急いでタオルを濡らして、コウに渡した。
「……申し訳ございません」
コウの表情と声は明らかに沈んでいる。
「…。…タキに叩かれたのか?」
タキと二人でいたのだから、コウの頬を叩いたのはタキしかいない。
「‥はい。好きだと伝えたら、冷静になりなさい、と言われて、頬を殴られました」
(…。叩かれたんじゃなくて、殴られたのか…)
タキらしいな、と寿は妙に納得してしまう。
「‥コウ、いきなりタキに好きだと言ったのか?」
「はい」
「前置きもなしでか?」
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