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「……。まぁ、それで良いんじゃねぇの…?」
「え?」
「率直なのがお前の良さなんだし…。そこを押していくしかないだろう」
具体的な案は出てこないので、寿はこれぐらいしか言えない…。
(相談する相手を間違えているぞ、コウ…)
この城の働いている人間の中で、恋愛経験豊富な人間に聞いた方がいい、と寿は思う。
コウは驚いたように寿をじっと見る。
(ああ、どうせ俺は恋愛のアドバイスなんて出来ねぇよ…!)
と寿が心の中で声を荒げていると、コウが頭を下げる。
「ありがとうございます!」
「え…?」
まさか頭を下げられるとは思っていなかったので、寿は驚いてしまう。
「寿様の言う通りです。私にはこれしか良さがないので、これからも率直さを武器にして押していきます!」
どうやら寿は知らぬ間にコウのスイッチを押してしまったみたいだった。
「‥おおぉ!?が、頑張れ…?」
言葉の歯切れが悪いのは、寿自身がなぜこうなっているのかわからないからだ。
「はい!」
コウが力一杯返事する。
(タキ、ごめん!何か知らぬ間に俺がコウのスイッチを入れてしまったみたいだ…)
タキに向かって、寿は内心で謝る。
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