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(しかし、今日は暖かいな…)
暖かい日差しが寿を包む。
急に部屋のドアがバーンッッ!!と開く。
寿はビクッとなって、ドアの方を見る。
「城案内ついでに庭でお茶をしよう!寿!」
皇子が瞳をキラキラさせながら言う。
皇子の手には大きめなピクニックバッグが握られていた。
寿は急なことにしばし唖然として瞬きを繰り返してしまう。
寿はハッとする。
「皇子、いけません!私が持ちます!」
皇子にバッグを持たせてはいけない。
「これぐらい俺だって持てるぞ?」
そう言って、バッグを寿に渡そうとしない。
(そういうことじゃねぇよっ!)
寿が内心で突っ込む。
皇子が持てる持てないの問題ではない。
「寿の好きなコーンスープが入っているぞ」
皇子が満面の笑みで言う。
(……あれ、皇子がなんで俺がコーンスープが好きなことを知っているんだ?)
いや、どうして皇子が寿がコーンスープが好きなことを知っているかなんてこの際どうでもいい。
寿はしびれを切らして、ベッドの脇にあるボタンを押す。
このボタンはタキの部屋に繋がっていて、すぐに隠し扉からタキが姿を見せる。
「寿様、どうなされ…、」
タキは隠し扉を開けて皇子の姿を見た瞬間、なぜ寿が呼んだのかわかったのだろう。
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