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(本当にタキが言っていたように純粋無垢っていう言葉がぴったりな皇子だな…)
自分のどこがいいのか…。
皇子ならもっといい相手がいるだろうに…。
そう思うと、胸がチクンと痛くなる。
(…なんだこれ?)
寿は自分の胸に手を当てる。
「どうした、寿?行くぞ?」
優しく笑う皇子を見ていると、余計に胸が痛くなるのはなぜだろう…。
「‥…はい、皇子…」
寿は無理やり笑って返事をした。
「ここが武道所、ここがトイレ、ここが見張り番の部屋で、ここが見張り番の風呂」
皇子は指を差しながら、寿達を城を案内してくれる。
「あそこが道場で、ここが図書館だ。道場も図書館もここで働いている者も好きに使っているが、気にせずに寿も使えばいい」
「はい。ありがとうございます」
(まぁ、使うのは図書館だけだな…)
道場と図書館は中を軽く見たが、寿が気に入ったのは図書館だった。
図書館にある本が読みたい訳ではなく、日差しがあって心地良さそうな場所だと思ったからだ。
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