アダルトコンテンツが含まれます。
18歳以上ですか?
- 文字サイズ:
- 行間:
- 背景色:
-
37
-
「寿は優しいな」
「…え?」
何に対して優しいと言われているのか寿にはわからないが、一応褒められたのでお礼を述べる。
「……ありがとうございます」
少し戸惑いながら寿は言うと、皇子はにっこり笑う。
「よし!俺も大々的に寿をアピールするぞ!…コウ、まずは寿のポスターを作るぞ!」
「……皇子、それはやめておいた方がいいと思います」
「そうか…」
あらかさまに落ち込んだ皇子の声。
「じゃあ寿の名刺を配るのは?」
「………それも、やめておいた方がいいと思います」
「そうか…」
「だったら風船を配って寿をよろしく!っていうのは?」
「……………。……皇子、それもやめておいた方がいいと思います」
コウが皇子の言葉に絶句しながらも返事をしているのが寿にはわかった。
(ポスターとか名刺とか風船とかよく次から次へとよくアイデアが出てくるな…)
きっとコウも寿と同じ思いだろう。
「そうか…。‥これはどうだ、」
皇子はまたもや提案して、コウに却下を受ける。
そんな会話の繰り返しだ。
皇子とコウの後ろを歩く寿とタキは黙って、そのやりとりを聞き流していた。
(いつもこんな感じなんだろうな…。…皇子の相手をするのも大変だな‥)
寿はコウに同情してしまう。
現在の設定
文字サイズ
行間
背景色
×
77 / 246