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「私は皇子には感謝しても感謝しきれないのです。…だって皇子は私の才能を見出してくれたのです」
「え?」
「私は左腕がないから学校にいっても虐げられていたのです。兄は学校に行くのをやめろと言いましたけど、でも私は負けたくなくて勉強も運動も頑張りました」
自分が悪いことは何一つしてないのに、左腕がないということでいじめの対象となる。
どれだけ辛かっただろう…。
寿が眉間に皺を寄せながら優しく微笑むと、マユが驚いた表情する。
それからマユは身を乗り出して、寿に早口で伝えてくる。
「あのね!!学校で園芸の授業があったの!!初めて土や草花に触って枝も切ったの!!私、すーごーく楽しかったの!!」
興奮ぎみで敬語を使うのを忘れて、マユが寿に話してくる。
(いや、敬語じゃない方がいいんだけどさ‥)
「私、すぐに学校の庭師さんに弟子入りをお願いしたの!!そうしたらまずは弟子体験してみようか?って言われて、それから私、その庭師さんに色々と教えてもらったの!!そのうちになんと私専用の枝切りはさみまで用意してくれたの!どうやら私には素質があるって思ってくれたみたいで、庭師さんに本当に僕の弟子になって庭師の勉強をしないか、って誘われたんだからね!!」
喋りながらもマユは右手と両足をうまく使って何かを作っていく。
寿はそれを見ながら頷いて、黙ってマユの話に耳を傾ける。
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