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部屋の中に入ると同時に、寿は壁にもたれたまま、ずるずるとしゃがみ込んだ。
寒くて寒くて、身体がガタガタと震え出す。
「寿様」
寿の部屋で、待ち構えたタキが寿の額に手を当てる。
「熱はないようですね」
タキが寿の肩を抱いて、風呂場まで運ぶ。
寿は何とか自分で洋服を脱ぐ。
タキが寿が帰ってくる前に用意してくれていた浴槽に入る。
「熱はないようなので、身体を温めたら、すぐに寝てください」
「‥タキ、盗聴器はなかったか?」
浴槽に入りながら寿は聞く。
ここらの国周辺ではあまり湯船につかる習慣はないが、寿の母が毎日浴槽に入っていたため、寿も浴槽に入らないとお風呂に入った気にならない。
「大丈夫です。部屋を調べましたが、何も出てこなかったです。だから安心して、今はご身体を大事にして下さい」
タキにそう優しく言われて、寿は目を見開く。
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