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微かな物音と人の気配で寿は目が覚めた。
お風呂上がりにタキが作ってくれたお粥を食べて、すぐにベッドに入った。
そのおかげで今は多分深夜だろうが、全身の震えも止まって身体が軽くなっている。
(‥盗聴器を仕掛けた奴か?)
寿の目は完全に冴えたが、侵入者を油断させるために寝た振りをする。
部屋に入ってきた侵入者は寿が狸寝入りしているとはわかっていないみたいで、寿に近付いてくる。
そして侵入者は寿のベッドにまで上がってくる。
(なんて大胆な奴だ…!)
寿はすべての神経は侵入者に尖らせる。
気配で侵入者が寿の顔を覗き込もうとした時、寿は両目を見開いて、素早い行動で相手が息ができない首元の箇所を的確に掴んだ。
寿は思い切り眉を顰めた。
「……皇子」
寿の上にいたのは、皇子だった。
相手が皇子だったことで、安堵したものの呆れてため息をついて、皇子の首元を掴んだ手を下ろす。
「…何やってんだ‥」
こっちは命を狙われたかと思い全神経を尖らせていたんだぞ、という思いを込めて視線を皇子に送る。
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