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寿がタキを問い詰めても、皇子にカーテンを変えた理由を聞かれたのでその理由を述べただけです、という言葉が返ってくるだけだろう。
寿は小さくため息をつく。
「それにコウにも聞いた。寿のお母様の祖国のものを色々と取り寄せしたい、と」
皇子がじっと寿を見つめる。
寿も、それがどうしたんだ、何が言いたいんだ?という意味を込めて、皇子を見つめながら首を傾げる。
そして皇子が布団に顔を埋めた 。
「寿のことはすべてタキやコウから聞く。寿の口からは聞けない‥」
皇子の口調は寿を責めているのではない。
どちらと言えば拗ねているような言い方だった。
寿はそんな皇子にどう反応していいのかわからない。
「皇子…」
皇子が顔を上げる。
「俺は寿が好きだ」
皇子は真摯な眼差しでただ寿は見つめる。
そしてなぜかその視線から外せなくなる…。
「男娼なんて俺は興味がない。ましてや寿を男娼にする気はない」
コウから寿が自分は男娼だと思っている、と聞いたのだろう。
じゃないと皇子からこんな言葉が出るはずがない。
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