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「とりあえず縫うか…」
切られたからといって捨てるなんてことはしない。
縫えばまた使えるし、このカーテンは寿のお気に入りでもある。
寿はカーテンを取り外して、ミシンを借りるためにタキの部屋に行く。
タキの部屋に行くとタキはいなかった。
寿がミシンが置かれた机の前に行くとミシンの横に布切れを発見する。
(あ…!)
この花柄の布は母の祖国のものだ。
(そうだ…!)
寿はある事を思い付く。
周りを見渡すとちょうど綿もあった。
「これでちょうどいいサイズになるな!」
布切れなのでもう使うことはないだろうと思って、寿は勝手に布切れを縫い合わせて、綿を入れてまた縫う。
それをもう一個作って完成だ。
なかなかの出来だ、と出来たものを自画自賛してポケットに仕舞う。
そしてようやくカーテンを手に取る。
カーテンを広げると、寿は専用の鉛筆で線を引いて針で止めてからミシンでカーテンを縫いはじめていく。
ミシンの使い方なら手慣れている。
よく母が寿の洋服から雑巾までミシンでよく作ってくれたから…。
母の横でずっと見ていた幼い寿に、ミシンの使い方を母が教えてくれた。
寿が懐かしさに浸って眉間に皺を寄せて笑っていると、タキの部屋のドアが開く。
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