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ここはタキの自室なので、部屋のドアを開けたのはもちろんタキだ。
「寿様、何をされているのですか?」
「見たらわかるだろう?カーテンを縫い直しているんだ」
手を休める事なく寿が言うと、タキはわざとらしく大きく嘆息をついた。
「切られた角度からして犯人は左利きですね。調べればすぐにわかると思いますが、寿様、どうなさいますか?」
さすがはタキだ。
寿が縫っているカーテンを遠目で見ただけで、すぐに犯人は左利きだとわかった。
「…うーん。……もう少しだけ様子を見ようと思っているけど…、」
寿は言葉を濁す。
「そうですか。では私も余計なことは致しません」
もっとタキに口煩く言われると思っていたので、寿は思わずミシンを止めそうになった。
もしかしたら、タキには寿の思いなんてお見通しなのかもしれない。
(本当に怖い奴だ…)
だが、同時に頼もしい従者でもある。
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