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「え?」
皇子はそのままおにぎりを食べ進めて、寿の指までペロッと舐める。
「…っっ!!わざとだろっっ!!」
皇子はクスクスと笑うだけで何も言わない。
そして皇子は寿が食べ終わるまで、優しく微笑んで寿を見つめていた。
皇子が作ってくれた朝ごはんを食べ終わってから、寿は図書館に行く。
本を読みたい訳ではない。
今日は天気がいいので、図書館で何も考えずにひなたごっこが出来ると思ったから。
図書館のドアを開くと先客がいた。
その先客は見張り番のタクミだった。
タクミは本を見ながら、ノートに何かを書き写していた。
タクミは寿に気付いて、勢い良く立ち上がって寿に頭を下げる。
「いや、いい。気にしないでくれ」
寿もタクミのことを気にする素振りを見せずに、外が見渡せる窓側の机に座る。
行儀が悪いとわかっているが、机に座らないと窓から外を見渡せない。
外を見ると、タキとコウがいる。
タキはコウのことはまったく気にしないといった感じだが、コウがタキの後ろを一生懸命ついていっている。
(なんだか金魚のフンみたいだな…)
コウにはものすごく失礼なことだとは思いながら、思わず寿は笑ってしまう。
「どうかなさいましたか?」
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