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「タクミの優しさはただ甘やかす優しさじゃなくて、人を思いやる優しさだから優しくても良いんじゃないのか…?」
タクミが瞳を見開く。
「寿様…」
「皇子はいくらでも待つと言ってくれてるんだから、今はその言葉に甘えていればいいと思うけどな」
タクミは頭を下げる。
「ありがとうございます!」
寿は、眉間に皺を寄せたまま微笑む。
「いや。お礼を言われるほどのことをしてないぞ。そういやタクミ、さっきから気になっていたんだがあれは何だ?」
寿は窓の外にあるものを指を差す。
「ああ。あれはバスケットのゴールです」
「え、あれがっ!!」
寿の瞳が輝く。
週刊総合に、最近バスケットボールが流行っているという記事があり、ご丁寧に遊び方も載っていた。
「ボールは倉庫にあります。私もしたことありますが、なかなか難しいです」
寿がバスケットボールをしたい気持ちが、タクミにはすぐにわかったのだろう。
「タクミ!教えてくれてありがとう!」
タクミは首を振って、寿が早足で庭に向かうのを微笑んで見送った。
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