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「ずるい手を使ったのに負けてしまった…!」
皇子も自虐しながら声を出して笑っている。
皇子と顔を見合わせて一緒に笑い合った後、
「今のうちに靴を拾っておかければ、コウやタキに何て言われるかわからんからな!」
と皇子が滑り台を滑っている時に、
「寿様ー!」
とタキの声に皇子の身体がビクンとなり、皇子が急いで靴を履く後ろ姿に、寿はまた笑ってしまった。
(ああ、ものすごく面白かったな…)
また込み上げる笑いを必死に止めながら、部屋の前に行くとジョージが見張り番をしていた。
ジョージが寿に向かって頭を下げるが、寿に向ける視線は嫌悪しかない。
寿は何も気にしていません、と感じで毅然とした態度に部屋に入ると、ベッドの上に『死ね!』と赤文字で書かれた紙と埃の固まりが置かれていた。
寿は小さく息を吐いてから、埃の固まりはゴミ箱に入れて、紙は燃やす。
燃える紙を見ながら、小さく嘆息をつく。
寿の心はひどく揺れ動いていた…。
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