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「軽い捻挫だろう。ちゃんと湿布を張って安静してたら、三日ほどで治るだろう」
(やっぱり捻挫か。…三日間か…)
自分が悪いのだが、捻挫が治るまで三日間は庭で遊べない。
(ってそうじゃなくて…!)
寿は自分で突っ込みを入れて、皇子をまっすぐ見る。
まず皇子に言わないといけない言葉がある。
「ありがとう!」
眉間に皺を寄せたまま笑うと、皇子がどこか安心したように笑う。
「寿が今日こそは遊びに誘ってくれるか楽しみにしていたのに、結局、寿からの誘いはなかった…。…だから今日も寿が遊ぶ姿を図書館から見ていたのだ」
だから、こんなにもタイミング良く現れたのか。
「一人で遊ぶからこんなことになるのだぞ?」
皇子の言いかがりだ!と喉まで言いそうになったが、寿は、あれ…?と思った。
(…もしかして皇子は…、)
遊ぶというものは皆と遊ぶものだ、だと遠回しに言いたい訳ではなくて、
寿と一緒に遊びたい、そう伝えたかっただけかもしれない…。
「……。…もしかして、皇子は俺と遊びたいのか…?」
寿は少し小さな声で率直に聞いてみる。
「ああ、そうだ」
皇子は力強く頷いて即答する。
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