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コウも寿の従者なので、ある程度行動を共にしないといけない。
ただ寿とは関係ないところまで一緒にいられると疲れる…、というのがタキの本音だ。
タキは内心で嘆息をつく。
コウが自分に好意を持っているのわかっている。
それはきっと訓練所の時から…。
それをつい最近、本人の口から告げられた。
コウの気持ちはわかっていたが、出来れば一生黙っていてほしかった…。
タキはコウの目を覚ませるために、コウの頬を思い切り叩いた。
そんな気持ちを伝えられても迷惑なだけだ、私達は寿様の従者だ、寿様を一番に考えろ、と。
なんで寿様を一番に考えられない奴と組まないといけないんだ、大体寿様の従者は私一人で充分だ!
という思いと怒りしかタキにはない。
でも皇子の命令でもあるし、それに寿がコウを気に入ったのなら仕方ない、とタキは諦めるしかない。
きっぱりとコウを振ったはずなのに、自分に向けられるコウの視線には熱いものがある。
それを向けられる度に、タキはイラつきと言い知れぬ恐怖を感じていた。
「俺は、寿様を一番に考えるお前が好きだ」
「皇子と寿様の前です。場を弁えてください。あなたは寿様の従者なのに、それぐらいわからないのですか?」
タキが迷惑だと言っても、気持ちを伝えてくるコウに嫌みを言って嗜むように視線を送るが、コウは怯まない。
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