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(寝れない…)
寿は何度も寝返りを繰り返すが、一向に眠気は訪れない。
皇子が本殿に向かってから、ほとんど寝れていないはずなのに、なぜか眠くならない…。
その時、突然部屋のドアが開く。
あまりにも突然な事で寿の鼓動は速くなって、ベッドの中で身体が緊張して強張る。
そんな反応に寿は自分でも笑いたくなるが、緊張で頬も動かない…。
(こんなこと初めてだ…)
寿は内心でため息をつく。
人の気配があるのに、いつものようにベッドに入ってこようとはしない。
ただ立ち止まっているだけ。
(……?)
どことなくいつもと違う雰囲気を寿は感じとる。
しばらくしてからその気配が動く。
それは自分に近づくのではなく、逆に遠のいていくのがわかった。
(なんで…!?)
寿は不安になって無意識に身体が動いて、勢い良く上半身を起こす。
そんな寿の行動に驚いたのは、皇子の方だった。
皇子はヘラっと笑う。
それが作り笑いだと、寿にはすぐにわかった。
寿は無言でベッドに腰をかけた。
皇子の服装は正装だ。
帰ってきてすぐに寿の部屋に来たのだろう。
頬を無理矢理上げたまま皇子は言う。
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