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「…そこにいたのはアルビノの少年だった。少年は村人から残虐な行為を受けていて、ものひどい傷を負っていた…。…村長が言う面白いものというのは、その少年を傷つける行為を俺に見せて、俺にもその行為に参加させるつもりだったらしい」
タキは眉を顰める。本当に最低な行為だ。
それを次期陛下といわれる皇子の前で見せて、しかも参加させようとするとは、その村長は一体どういう神経をしているのか…。
タキにはその神経がまったくもって理解できない。
理解もしたくない…。
「俺はすぐにその少年を保護して、その村から離れたところに住まいを提供した。その少年に何があってはいけない、と思って俺の従者を一人つけたのだ」
皇子は淡々と喋る。
「そしてその場で村長を捕まえた」
ただ皇子の瞳には悲しみが宿っている。
「その住まいで少年には新しい人生を歩んでほしい。少年には味方がいる。少年は一人ではない。そう気付いてほしくて、そんな思いで、俺は少年に従者をつけた」
タキは小さく頷く。
きっと前の国の国王、寿の父親も皇子と似た気持ちで、寿に従者をつけていたのだろう。
「その少年につけた従者は、若者で従者になりたてだったが、瞳はいつもキラキラしていて正義感に溢れていた…。…そして心がとても優しい従者だった…」
皇子の瞳が、その少年と従者を思ってか慈しんでいた。
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