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「『じぃやの代わりにきてくれたのだろう?じぃやは足を悪くしてあまり上手に歩けないんだ…。お前が来てくれたおかげでじぃやは休める!ありがとう!』と五歳の寿様が満面の笑顔で、私に仰られたのです」
その時の寿が言った言葉は一語一句覚えている。
だって、
天使だ、私の腕の中にいるのは天使だ…、
とタキは心が震えたのだから。
「私は寿様のその笑顔と愛らしさに一目惚れしたのです!」
寿の笑顔に、黒幕として国を動かしたい、なんていうタキの野望は遥か彼方に飛んでいった。
「神童といわれたこの才はすべて寿様に捧げるためにあるのだと思ったのです!それほど寿様の笑顔は魅力的なものでした!皇子にあの笑顔をお見せ出来ないのが残念なぐらいです!」
タキは少し興奮したように早口だった。
皇子は顔色一つ変えずに黙ってタキの話を聞く。
「説明がなくても事情は読めます。国王の実子でありながら髪、瞳、肌の色が違うため、後宮に幽閉されている…。私はこれからこの子に待ち受けるであろう孤独で辛い未来を、私の命をかけてでも一緒に乗り越えようと思いました」
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