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神童と呼ばれた男、タキは筆記と実技で満点を叩き出して異例中の異例で義務教育中に医療の資格まで取っていた。
色々な資格を取っていたのも、寿様の従者になるためだったのだ!と勝手に運命を感じていた。
だが、それは辛すぎる診断を下さなければいけない立場にタキを追い込んだ。
「…お母様のご病気は今の医療では治せない不治の病でした。効果的な薬もなく治療もなく、ただ命が枯れるまで待つしかないという残酷なものでした」
タキは淡々と語っているつもりが、自分も気づくほど声音は固いものとなっていた。
「…お母様は倒れられてから、お母様はベッドで過ごす時間が日々増えていきましたが、寿様は今まで通り勤勉に家事にと勤しみました。‥…もしかしたら、そうしないと寿様の心が持たなかったのもしれません…。…そしていつも通り寝る前の一時だけお母様のところに行くのです…」
この親子に残された時間は少ない。
診断したタキが一番わかっていること…。
タキが出来ることは、この親子が一秒でも長く一緒にいられますように…、と願うだけ…。
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