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『どんなに孤独で辛くても強く生きなさい』
その母の言葉があったからこそ、自分は生きてこられた。
強く生きるとは泣かないことじゃないのだろうか…?
(わからない…)
泣くことを認めると、今まで必死に生きてきた人生を否定されたような気がしてすごく怖い…。
自分で今までの人生を否定するみたいで、恐怖で鳥肌が立つ。
どうして泣いているのに、あの皇子を強いと思ってしまったのだろう…。
どうして泣いている皇子を恋しく思ってしまうのだろう…。
どうしてあの皇子は泣けるのだろうか…。
弱いことだ、と思って、自分は泣き方を忘れようとしていたのに…。
コンコンと部屋のドアをノックされて、折り紙を急いで引き出しに戻す。
「はい!」
ドアが開くと、そこにはいつもと変わらない笑顔の皇子がいた。
「寿、今日は庭に行かないのか…?」
寿は一瞬迷ったが、久々ということもあって皇子の誘いに頷いた。
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