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「三ヶ月経ったある日、今までまったく喋らなかった彼が『じゃあな』と言ってくれました。私は天にものぼる気持ちでした。彼が私に気を許してくれたのだと…。これから彼と仲良く出来るのだと…。ですが、翌日から彼は来ませんでした…」
やっと彼が言った『じゃあな』の本当の意味を知った。
「彼は五年掛かるところを三ヶ月で卒業していったのです。彼はもうすぐ姿を消すと言っていたのに、彼と過ごしている内に有頂天になり、私はその言葉をすっかり忘れてしまっていたのです」
どれだけ自分を責めても、後悔先に立たず…。
「訓練所に通うには寮に住むのが決まりでした。寮生活の間は外部と情報を取り合うのは禁止されていました。情報を取り合っているのがバレたら退寮して、従者の夢も諦めないといけません」
訓練所で学んでいる時は寮生活をする。
彼が寮生活を免除されていたのは、彼風に言えば神童だから、なのだろう。
「なので、当時の私には彼がどの国に配属されているのかわかりませんでした」
訓練所は各国から集められている。
訓練所を卒業した者は祖国で従者になった人間もいれば、違う国からスカウトされて、まず見張り番をしながら信頼を得てから従者となる人間もいる。
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