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タキは寿を守るためなら、冷酷になることを誰よりも寿がわかっている。
「でも、私はそんなところにも惚れてしまったのです」
コウがそう言って、クスリと笑う。
「私が閉められたドアの前で呆然としていると、足音が聞こえてきたのです。振り向くとそこには号泣している皇子がいたのです」
まさか、皇子がついてきているなんて思いもしなかった。
「皇子は私の様子がおかしいことに気付いて、面白がって、従者を撒いて私の後をついてきたのです。…皇子は号泣しながら私の足を両手で思い切り叩きました」
コウは淡々と続ける。
「『どうして今日はパーティーなのに、あの子はこんなところでいるんだっ!?どうしてあの子はすべて諦めたかのような顔をしてるんだっっ!俺ならあんな顔をさせないっっ‥!……俺が、俺があの子を嫁にして笑わせてやる!!!』と」
一瞬だけ沈黙が宿る。
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