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「知っているか…?こういうのをマザコンというんだ。‥だが、俺はマザコンの域を越えている」
寿は自虐的に笑う。
「……。……母が不治の病とわかった時、俺の人生も終わったと思った…」
寿は一息つく。
「……。だから、母が生きている間は笑って過ごそうと思った…。…いや、そうしないと自分が保てなかった…。…今にも崩れ落ちそうで、でも母にそんな姿を見られたくなかった……」
母に心配を掛けたくなかった。
だからタキの前でもいつもの自分を演じていた。
せめて母が生きている間は、タキの前でもいつもの自分でいたかったから…。
今だけだ…!と自分にいい聞かせていた。
母が亡くなれば、もうこんなことはしなくていい…。
寿は気力だけで普通を振る舞っていた。
だって母が亡くなった後、すぐに母を追うつもりだったから…。
「だけど、あの母はすべてを見通しだった…。…病床の母は俺に『どんなに孤独で辛くても強く生きなさい』と言ったんだ…。…俺にそう言った後、母はすぐに亡くなった……」
寿は一旦そこで言葉が出なくなる。
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