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ケーキ
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「ああ。気にしないで。いや、気にした方がいいのかな…?でもそのうち嫌でもわかるから、今は店内を見ておけばいいよ」
「琴音は接客しないが、店内を見ていて損はない」
「…は、はい!」
京と都明にそう言われて、琴音は店内を見渡す。
お世辞にも広いといえない店内だが、店の真ん中に置かれているショーケースにはもうケーキはなかった。
そして店の両端には棚があるが、もう商品はなくて何を売っていたのかわからない。
店の中は何一つ商品が残っていない状態だった。
もうそろそろ夕方だから、閉店時間なのだろうか。
(でもまだ四時だけど…)
店内に掲げられた時計は四時を指している。
閉店するには少し早い時間に思える。
「ここの店はね、ケーキを売り切ったら店を閉めるの。逆に言えばケーキを売るまで店を閉められないってこと。あ、でもちゃんと賞味期限の切れたケーキはちゃんと廃棄しているからね。でもケーキは毎日ほぼ完売しているから廃棄することはめったにないかな?えーと…、後、何を疑問に思っていたんだっけ? …あ、そうそう、棚にはクッキーとか常温で大丈夫なパンケーキを売っているんだよ」
また琴音が心の中で疑問に思っていたことを京がすべて答えてくれる。
「あ、そうなんですか!…すごいですねっ!」
琴音がもう一度店内を見渡しながら素直に感想を述べると、京が楽しそうに笑う。
(ここまで品物が一つも残らず売り切るって、すごいことだよな…)
琴音は夕方でケーキをすべて売り切っていることに感動を覚える。
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