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有り得ない。
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shion side
眠い。その一言に尽きる朝。たまたま大嫌いなやつに遭遇してしまった。あからさまな態度を取ったというのにいつもと変わらないそいつ。
でも、少しだけいつもと違った。いつもはもっとなんか絡んでくるのに今日はなかったし、それと匂いがした。柔軟剤じゃない、Ω独特の。
先に教室へと入った俺は少しだけあいつのことを考えていた。本人は気付いていなようだけど他のαはチラチラとあいつを見てはニヤけてる。まぁ、如何わしいことでも考えてんだろ。俺には関係ない。
「おっはよー、梓穏!今日もイケメンだね!」
「煩い。黙れ。埋めるぞ。」
「今日はいつにも増して機嫌悪いねぇ?どったの。」
「なんもねぇから。俺1時間目でたらサボる。」
下半身バカは理由を聞きたがってたけど無視してやった。てか特に何もないわ。取り敢えず今日は1人にして欲しかった。
授業の始まりのチャイムがなった後もあの匂いが消えずに俺にまとわりついていた。離れない。これがほかのΩなら喜んで犯すんだけど彼奴は論外。
なのに本能はあいつを求めてる。そんな自分に1番腹が立つ。なんで寄りにもよって嫌いな奴なんだ。
そんなことをずっと思ってたらいつの間にか終わった授業。下半身バカに言った通り俺はサボる為に場所を探していた。そしたらどこからか香るΩの発情した匂いが鼻を掠めた。どこかで嗅いだことのある匂い。
もしかしたらと思ってたら保健室を入ったら教師の姿なく閉まったカーテンの内側にいたのはやはり俺の大嫌いな奴だった。
いつもと違い目を潤ませながら身体を丸まらせαを誘う匂いを漂わせているそいつはまだちゃんとしていないが発情期が来た様子。が、本人は全く気付いていない馬鹿としか言い様がない。
流石にこの弱った状況を見て置いていけるやつなんてそうそういないと思う。たとえ嫌いな奴でも。
仕方なく、仕方なぁく背中を摩ってやれば嬉しそうに赤く染った頬を緩めている馬鹿。馬鹿なのに馬鹿なくせにそんな顔ができるなんて思っていなかった。
不意打ちを食らった気分になり思わず眉を上げてしまった俺。こんな顔見られたくない。視界を俺の手でおおって顔を見えないようにしてやるも何故か握られた。驚いて力が抜けてしまえばまた、笑っている馬鹿またの名を美門は愛おしそうに俺を見ている。
「せんぱい、かわい…。」
「…は、?何言ってんだよ、お前…。」
俺の手を握りそのまま自らの頬へと押し当て頬擦りしてくる美門。挙句の果てに可愛いとか…。ふざけんな。
なのに、可愛いとか俺は思ってしまった。本当に有り得ない…。
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